フェイクニュースやデマを見抜くための3つのチェックポイント:情報の偏りを見破る視点
現代社会に潜む情報のリスク:フェイクニュースとデマへの対処法
インターネットやテレビを通じて、私たちは日々膨大な情報に触れています。便利な一方で、「何が正しい情報なのか判断に迷う」「間違った情報に惑わされたくない」といった不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。特に、意図的に作られた虚偽の情報、いわゆる「フェイクニュース」や、根拠のない噂話である「デマ」は、私たちの判断を曇らせ、社会に混乱をもたらすこともあります。
この情報リテラシー向上委員会では、皆様が安心して情報と向き合い、偏りのない情報収集と批判的思考力を養うためのお手伝いをしたいと考えております。今回は、フェイクニュースやデマに惑わされず、信頼できる情報を見極めるための具体的な「3つのチェックポイント」をご紹介いたします。
そもそもフェイクニュースやデマとは
まずは、フェイクニュースとデマについて、簡単に理解を深めましょう。
- フェイクニュース: 事実に基づかない、あるいは意図的に歪曲された情報で、しばしばニュース記事のような形式で広められます。特定の意図を持って作成されることが多く、読者の感情を煽り、誤解を招くことを目的としている場合があります。
- デマ: 根拠のない噂や不確かな情報が、人々の間で広まる現象を指します。悪意がなくても、誤解や情報の伝言ゲームによって事実と異なる内容に変化していくことがあります。
これらの情報は、一度広まってしまうと、訂正することが非常に難しくなります。だからこそ、受け取った時点でその真偽を冷静に見極めることが大切です。
フェイクニュースやデマを見抜くための3つのチェックポイント
では、具体的にどのようにして情報の真偽を判断すればよいのでしょうか。以下の3つのチェックポイントを参考に、情報の偏りを見破る視点を養っていきましょう。
チェックポイント1:情報源をしっかりと確認する
「誰が、どこで、いつ情報を発信しているのか」を確認することは、情報の信頼性を判断する上で最も基本的なステップです。
- 発信元は信頼できる組織や個人ですか?
- 政府機関、公的機関、大手メディア、専門分野の学術機関、あるいは専門家個人の発信であれば、一定の信頼性があると考えることができます。
- 一方で、匿名の個人アカウント、詳細不明なウェブサイト、あるいは普段見慣れないニュースサイトからの情報は、特に注意が必要です。
- ウェブサイトのアドレス(URL)を確認してください
- 公式なサイトであれば、通常、その組織の名前や略称がURLに含まれています。しかし、巧妙に似せた偽サイトも存在します。例えば「google.com」が「g00gle.com」(数字のゼロ)のようになっているなど、少しの違いでだまそうとするものもあります。よく知らないURLであれば、一度検索エンジンでそのサイト名や組織名を調べて、公式の情報と一致するか確認してみると良いでしょう。
- 情報がいつ公開されたものですか?
- 古い情報が、あたかも現在の出来事のように再利用され、デマとして広まることがあります。情報がいつ発信されたものか、日付にも注目しましょう。
チェックポイント2:情報の「感情」と「根拠」を切り分けて考える
フェイクニュースやデマは、しばしば私たちの感情に強く訴えかけるような表現を使います。「驚くべき真実」「許しがたい」「絶対に〜すべきだ」といった、極端な言葉や感情的な表現が目立つ情報には、特に注意が必要です。
- 感情的な言葉に惑わされない
- 情報に触れたとき、怒りや不安、あるいは喜びといった強い感情が湧き上がってきたら、一度立ち止まって冷静になりましょう。その感情は、情報の作り手が意図的に引き出そうとしているものかもしれません。
- 客観的な事実や具体的な根拠が示されていますか?
- 「〜によると」「研究結果では」といった表現があっても、その出所が明確でなかったり、具体的なデータや統計が示されていなかったりする場合は注意が必要です。
- 「多くの人が言っている」「専門家がそう言っていた」といった漠然とした表現ではなく、「どの研究機関の誰が、いつ、どこで発表したデータか」まで確認できるのが理想です。
チェックポイント3:複数の情報源で比較し、多様な視点を持つ
一つの情報源だけを鵜呑みにせず、複数の異なる情報源から同じテーマに関する情報を集め、比較検討する習慣をつけましょう。
- 偏りのない情報収集を心がける
- 例えば、あるニュースについて、テレビの報道だけでなく、新聞各社の記事、信頼できる専門機関のウェブサイト、さらには異なる視点を持つメディアの意見なども見てみましょう。
- これにより、一つの情報源が持つかもしれない「偏り」や「抜け落ちている視点」に気づくことができます。
- 一次情報にアクセスしてみる
- ニュース記事やまとめサイトは、元となる情報(一次情報)を要約したり、解釈を加えたりしています。可能であれば、その情報が引用している元の報告書や論文、公式声明など、一次情報に直接アクセスしてみることをお勧めします。
もし疑わしい情報を見つけたら
上記のチェックポイントを試した結果、その情報が疑わしいと感じた場合、以下の点に留意してください。
- 安易に拡散しないでください。
- 特にSNSでは、真偽不明な情報があっという間に広まってしまいます。情報の真偽が確実でない限り、家族や友人への共有、リツイートなどは控えましょう。
- 周囲の人と相談してみましょう。
- 一人で判断に迷う場合は、信頼できる家族や友人に相談してみるのも良い方法です。「この情報、どう思う?」と問いかけてみることで、新たな視点や客観的な意見が得られるかもしれません。
- 公式な情報源を確認してください。
- 気になるテーマについて、関係省庁や大手メディアの公式発表、専門機関のウェブサイトなどを改めて確認し、正確な情報を得るように努めてください。
日常生活での心がけ
現代社会で情報と賢く付き合っていくためには、日々の心がけが大切です。
- 情報を受け身でなく、能動的に判断する姿勢を持つこと。
- 常に「これは本当だろうか?」「なぜそう言えるのだろう?」という問いかけを持つこと。
- 感情的にならず、冷静に情報の内容と根拠を評価すること。
これらの習慣が、情報過多な現代社会で皆様が安心して生活を送るための大切な力となります。情報リテラシー向上委員会は、これからも皆様の情報判断能力の向上をサポートしてまいります。